私たちの生活に「ビタミン」があるのは、もはや当たり前のことのように感じられます。
タブレット、ドロップ、グミ、パウダー──さまざまな形で長年親しまれてきました。
しかし、人類の歴史の中で見ると、サプリメントという発明はごく最近のものです。
栄養学と細菌学のはじまり
ビタミン研究の原点は18世紀半ば。
医師ジェームズ・リンドは、長い航海から帰還した船員たちが壊血病(ビタミンC欠乏症)に苦しむ様子を観察しました。
彼は柑橘類🍋を使った初の「臨床試験」を行い、ビタミンCが健康回復に不可欠であることを発見しました。
その後、1900年代初頭に登場した細菌学説が、衛生・ワクチン・抗生物質などの進歩を促し、
食品の殺菌・加工が進む一方で、穀物の精製や殺菌によってビタミンB群などの栄養が失われることが分かりました。
1912年、ポーランドの生化学者カジミール・フンクが「vitamine(ビタミン)」という言葉を提唱。
彼は、特定の病気が栄養不足によって起こると仮定し、ビタミンの存在を理論的に示した最初の科学者とされています。
最初の商用マルチビタミン
1900年代初頭の研究はまだ病気の治療目的でしたが、1916年には一般向けビタミン製品が登場します。
たとえば「Mastin’s Yeast Vitamin Tablets」には、ビタミンA・B・C、鉄、カルシウムが含まれ、消化や便通の改善をうたっていました。
1930年代、ビジネスマンのカール・レンボーグが、世界初の商用マルチビタミンNutrilite(ニュートリライト)を開発。
彼は中国滞在中に「栄養不足が健康を損なう」ことを実感し、これを製品化しました。
また、友人に紹介して販売を広げる方式(マルチレベルマーケティング)の先駆けとなったことでも知られています。
第二次世界大戦が始まると、徴兵されたアメリカ兵の約3分の1が栄養不足に起因する健康問題を抱えていたことが判明。
この問題を受け、1941年にルーズベルト大統領が国家栄養会議を設立。
これが、ビタミン不足の認識を広げるきっかけとなりました。
結果として、初の推奨栄養摂取量(RDA)が策定され、
ビタミンA・B1・B2・B3・C・D、そしてカルシウム・鉄の摂取基準が定められました。
同時期には、食の強化(フォーティフィケーション)も進展。
1920年代にヨウ素入りの塩、1930年代にはビタミンD強化ミルク、
1940年代には穀類へのビタミン添加が始まりました。これにより、「食事と栄養補助」への意識が高まります。
マルチビタミン革命
1943年、「One-a-Day(ワン・ア・デイ)」が登場。
1日1錠でA・C・D・B群を摂取できる画期的な製品として人気を博しました。
その後、1946年に主要メーカーが出資してナショナル・ビタミン財団が設立され、
学術研究の支援が始まります。
1950年代後半には、食卓に塩やコショウと並んでビタミンを置く──という広告が登場。
1960年にはバイエル社が子ども向けビタミン「Chocks」を発売。
そして1968年にはおなじみの「フリントストーン・ビタミン」が登場し、今でも販売されています。
製造技術の向上により、糖衣錠から飲みやすいコーティング錠へと進化。
瓶のデザインも薬局風のガラス瓶からモダンな容器へと変わり、
1970年代にはさまざまな種類のマルチビタミンが市場に並ぶようになりました。
現代のマルチビタミン
今日のマルチビタミンは、栄養学・吸収効率・腸内環境といった最新の科学に基づいて作られています。
グミ・液体・カプセル・パウダーなど、ライフスタイルに合わせた多様な形態が登場しました。
現代の課題は「栄養ギャップを埋めること」。
米国では、1歳以上の人のうち75%が果物不足、80%以上が野菜不足と報告されています。
さらに、ストレス・加齢・環境要因が栄養吸収に影響を与えるため、
包括的な栄養サポートとしてのマルチビタミンが再び注目されています。
その中で、AG1のような製品は次世代型として進化を遂げました。
ビタミン・ミネラルに加え、プレバイオティクス・プロバイオティクス・酵素を組み合わせることで、
腸内環境をサポートし、栄養吸収を高めることを目指しています。
🔑腸の健康は栄養吸収のカギ。
約6,000〜7,000万人のアメリカ人が消化器の問題を抱えており、
腸内フローラ(腸内細菌叢)の健全化が、全身の健康維持に欠かせないことが明らかになっています。
ひと目でわかるポイント
- ✅ビタミンは、病気治療の発見から始まり、今や日常的な健康習慣の一部に。
- ✅栄養研究と技術革新が重なり、現代のマルチビタミンはより「精密で吸収効率の高い」形へ進化。
- ✅AG1は、これまでの流れを受け継ぎながら「全身の健康最適化」を目指した、新しい時代のマルチビタミン。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3536506/
Milne I. (2012). Who was James Lind, and what exactly did he achieve. Journal of the Royal Society of Medicine, 105(12), 503–508.
https://doi.org/10.1258/jrsm.2012.12k090
Casanova, J. L., & Abel, L. (2013). The genetic theory of infectious diseases: a brief history and selected illustrations. Annual review of genomics and human genetics, 14, 215–243.
https://doi.org/10.1146/annurev-genom-091212-153448
Rosenfeld, L. (1997). Vitamine—vitamin. The early years of discovery. Clinical Chemistry, 43(4), 680–685.
https://doi.org/10.1093/clinchem/43.4.680
Wendt, D. 2012, June 7. Vitamins Come to Dinner | Science History Institute. Science History Institute.
https://www.sciencehistory.org/stories/magazine/vitamins-come-to-dinner/
https://www.amway.com/amway-insider/about-amway/the-origins-of-nutrilite
Mozaffarian, D., Rosenberg, I., & Uauy, R. (2018). History of modern nutrition science-implications for current research, dietary guidelines, and food policy. s. BMJ (Clinical research ed.), 361, k2392.
https://doi.org/10.1136/bmj.k2392
Mozaffarian, D., Rosenberg, I., & Uauy, R. (2018). History of modern nutrition science-implications for current research, dietary guidelines, and food policy. s. BMJ (Clinical research ed.), 361, k2392.
https://doi.org/10.1136/bmj.k2392
Wendt, D. 2012, June 7. Vitamins Come to Dinner | Science History Institute. Science History Institute.
https://www.sciencehistory.org/stories/magazine/vitamins-come-to-dinner/
https://www.metv.com/lists/6-things-you-never-knew-about-flintstones-vitamins