「ストレスホルモン」ってよく聞くけど、実際どんな働きをしてるの?
この記事では、ストレスが体にどう影響するのか、主なホルモンであるコルチゾールやアドレナリンの役割、そしてそれらを無理なく自然に整える方法をわかりやすく紹介します。
目次
ストレスホルモンって何?
ストレスを感じたとき、私たちの体の中ではいくつかのホルモンがフル稼働します。これらはまとめて「ストレスホルモン」と呼ばれていて、体を守るためにいろんな働きをしてくれます。代表的なものはこちら👇
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コルチゾール:副腎という臓器の「皮質」という部分で作られる、メインのストレスホルモン。エネルギーをすぐ使えるようにしたり、炎症を抑えたりと、ストレスに立ち向かう準備を整えます。必要のない機能(たとえば消化など)を一時的にストップさせる働きもあります。
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アドレナリン:こちらは副腎の「髄質」で作られます。心拍数が上がったり、呼吸がラクになったり、まさに「戦うか逃げるか」モードにスイッチを入れるホルモンです。
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ノルアドレナリン:アドレナリンに似ていますが、もう少し冷静な感じ。集中力をアップさせたり、血管をギュッと縮めて血圧を保ったりします。
このほかにも、バソプレシンや成長ホルモン(ソマトロピン)といったホルモンも、ストレスがかかったときに関わっています。
ストレスホルモンが健康に与える影響
短期的なストレスは集中力や反応力を高めるため、ある意味で役に立つこともあります。
でも問題は、ストレスが慢性化すること。
仕事のプレッシャーや人間関係、経済的不安などによって慢性的にコルチゾールが高い状態が続くと、次のような不調が現れる可能性があります。
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食欲増進・体重増加(特にお腹周り)
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消化機能の低下・栄養吸収の乱れ
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不眠や倦怠感
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免疫力の低下
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高血圧や心臓病リスクの上昇
食事でストレスに強くなるには?
ストレスホルモンのバランスを整える上で、日々の食事が非常に大切な役割を担っています。意識的に取り入れることで、心身の健やかさをサポートしてくれる食材があります。
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ビタミンCやEが豊富な食品(柑橘類、ナッツ類など):抗酸化作用でコルチゾールの過剰分泌を防ぐ。
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ビタミンB群を含む食品(葉物野菜、全粒穀物、ナッツなど):神経の働きを整える。
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オメガ3脂肪酸(サーモン、マグロ、くるみなど):炎症を抑え、気分を安定させる。
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発酵食品(ヨーグルト、キムチ、ぬか漬けなど):腸内環境を整え、ストレスへの抵抗力を高める。
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ダークチョコレート(適量):フラボノイドが含まれ、気分の改善に効果あり。
ストレスを整える4つの方法
「心と体はつながっている」——健康的な生活習慣はストレスホルモンを整えるための鍵です。
① 質の良い睡眠をとる
睡眠中はストレスホルモンが自然に下がります。7~9時間の睡眠が理想的です。
メラトニン(睡眠ホルモン)はコルチゾールの抑制に役立ちますが、サプリの使用は医師と相談しましょう。
② 適度な運動をする
有酸素運動は「幸せホルモン」と呼ばれるエンドルフィンの分泌を促し、コルチゾールを下げる効果があります。軽いジョギングやウォーキングなど、続けやすい運動を習慣にすることが大切です。
③ 自分に合った瞑想や呼吸法を取り入れる
瞑想や深呼吸はセロトニンの分泌を促進し、気分を整えます。
「散歩しながら考えを整理する」「寝る前に3分間の深呼吸」など、無理なくできることから始めましょう。
④ 人とのつながりを大切にする
家族や友人との交流は、ストレスレベルを下げる強力なサポートになります。
一緒に食事をしたり、ちょっとした会話をするだけでも気分が変わることがあります。
ひと目でわかるポイント
- ✅コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンは代表的なストレスホルモン
- ✅一時的なストレスは悪くないが、慢性化すると心身の不調を招く
- ✅食事・運動・睡眠・人間関係を見直すことで、自然に整えることができる
参考文献
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0899900700004226
https://www.nccih.nih.gov/health/melatonin-what-you-need-to-know