フリーラジカル?活性酸素?
ちょっと物騒な言葉に聞こえるけれど、私たちの体の中では、そんな“攻撃的な物質”が日々生まれています。
でも大丈夫。そうしたダメージから細胞を守ってくれるのが「抗酸化物質」。
肌のエイジングケアだけでなく、免疫力のサポートや病気予防にも深く関わっている栄養素です。
この記事では、抗酸化物質の正体とその働き、どんな食べ物に多く含まれているのかまで、わかりやすく解説します。
抗酸化物質ってなに?なぜ大切?
抗酸化物質とは、体内で発生する「フリーラジカル(活性酸素など)」から細胞を守る働きをもつ成分のこと。
体の酸化を防ぎ、老化や生活習慣病を引き起こすダメージを減らす役割があります。
フリーラジカルってなに?
フリーラジカルは、エネルギー代謝や紫外線、ストレスなどで発生する非常に反応性の高い物質。
たんぱく質や脂質、DNAに結びついて損傷を与えることもあり、病気や老化の原因に。
特に以下のような要因で増えます。
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紫外線
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喫煙・飲酒
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大気汚染
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ストレス
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加齢
抗酸化物質はどう働くの?
フリーラジカルは、まるでドミノ倒しのように細胞を次々と傷つけます。
そこに登場するのが抗酸化物質。
彼らはフリーラジカルを“無害化”し、この連鎖をストップ。
その結果、細胞の健康が守られ、老化や疾患リスクを減らすことにつながります。
どんな成分が抗酸化物質?
体内でつくられるものもありますが、食事から摂れる抗酸化物質は特に重要です。
【主な成分】
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ビタミンC
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ビタミンE
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カロテノイド類(βカロテン、ルテイン、リコピンなど)
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ポリフェノール類(フラボノイド、アントシアニン、レスベラトロールなど)
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コエンザイムQ10
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セレン(ミネラル)
これらをバランスよく摂ることで、酸化ストレスへの対抗力がアップします。
抗酸化物質が多い食品は?
抗酸化物質はカラフルな野菜や果物に豊富。色が濃いほど、抗酸化力も高めです。
色ごとの代表例
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🟢 緑:ブロッコリー、ほうれん草、チンゲン菜
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🟠 オレンジ:にんじん、かぼちゃ、マンゴー
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🔴 赤:トマト、パプリカ、いちご、さくらんぼ
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🟣 紫:ブルーベリー、ぶどう、紫キャベツ、なす
そのほか
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緑茶、紅茶、コーヒー、カカオ(ポリフェノール)
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ナッツ類や植物油(ビタミンE)
サプリメントでの補助も可能ですが、まずは「食べるケア」を心がけてみてください。
肌へのうれしい効果とは?
肌の老化の大きな原因は、紫外線や大気汚染による酸化ダメージ。
フリーラジカルがコラーゲンや細胞DNAを傷つけ、シワ・たるみ・乾燥を引き起こします。
抗酸化物質は、こうしたダメージを抑え、肌のバリア機能や再生力をサポート。
食事はもちろん、抗酸化成分配合のスキンケアも効果的です。
とはいえ、日焼け止めは基本中の基本。併用が大切です。
エイジングケアとの関係
老化は、体の中の小さなダメージの蓄積によって進みます。
この“見えないストレス”の大きな原因が、実は酸化ストレスです。
抗酸化物質は、こうした酸化ダメージを防ぎ、健康的に年齢を重ねるサポート役になります。
毎日の食事で抗酸化物質をしっかり摂ることで、老化スピードをゆるやかに保ち、将来的な不調の予防にもつながります。
ひと目でわかるポイント
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✅細胞を守る!
抗酸化物質は、フリーラジカルから体を守り、老化や病気の原因をブロック。 -
✅食事で無理なく取り入れる
野菜や果物、お茶やナッツなど、身近な食材にたっぷり含まれています。 -
✅肌も体も若々しく保つ
内側からのケアで、健やかでエネルギッシュな毎日を。
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