「骨のビタミン」とも呼ばれるビタミンK2。でも実際のところ、どんな働きがあるのでしょう？心臓や骨への影響、そして食事でどう摂れるのかまで、最新情報をわかりやすくまとめました。
ビタミンK2ってどんな栄養素？
ビタミンK2（メナキノン）は水に溶けるビタミンで、血液を正常に固める働きや骨を丈夫に保つ役割があります。ビタミンK1（フィロキノン）とともに、健康の土台を支える大切な栄養素です。
ただし、体の中に長く蓄えておけないため、食事から定期的に取り入れる必要があります。
一般的にバランスのとれた食事をしていれば十分とされていますが、栄養が偏っていたり、特定の薬を使っていると、K2が不足する可能性もあります。
不整脈に効くってホント？
ビタミンK2には「不整脈や骨粗しょう症を防ぐ」といった話を耳にすることがありますが、こうした効果については、現時点で信頼できる科学的な根拠はまだ十分ではありません。
そのため、サプリメントなどを取り入れる際も、「予防になる」と過度に期待せず、基本は日々の栄養バランスを整えることが大切です。
ビタミンK2に期待されるメリット
K1やK2は、体内で特定のタンパク質を活性化させることで、血液の凝固や腎臓の働き、骨密度の維持に関わっています。
さらに、いくつかの研究ではビタミンKの摂取量が少ない女性は骨折リスクが高いというデータも。また、K2はカルシウムの代謝を助け、ビタミンD3の働きをサポートする役割も持っています。
2022年の国際的な研究では、ビタミンKがフェロトーシスという特定の細胞死から組織を守る働きを持つことがわかってきています。
ただし、これは通常の食事からの摂取では得られない効果で、今後の医薬品開発への応用が期待されています。
ビタミンD3との深い関係
ビタミンK2とD3は、一緒にとることで真価を発揮します。
D3はカルシウムの吸収を高め、K2はそのカルシウムを骨にしっかり届けるサポート役。
もしK2が不足すると、吸収されたカルシウムが血管に沈着して動脈硬化を引き起こすリスクもあります。
つまり、骨を強くしたいならD3とK2をセットで意識するのが大切なんです。
どれくらい摂ればいいの？
一般的な目安とされている、ビタミンK2の1日あたりの推奨摂取量は以下の通りです。
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女性（15〜51歳）：60μg
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男性（15〜51歳）：70μg
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女性（51歳以上）：65μg
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男性（51歳以上）：80μg
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子ども（1〜4歳）：15μg
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子ども（4〜7歳）：20μg
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子ども（7〜10歳）：30μg
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子ども（10〜13歳）：40μg
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子ども（13〜15歳）：50μg
K2を含む食品は？
ビタミンK1は主に野菜に含まれていますが、K2は動物性食品や発酵食品が中心です。
特に多く含まれているのは：
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🥩肉類・内臓（レバーなど）
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🥚卵
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🧀チーズ・ヨーグルトなどの乳製品
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🫘発酵食品（例：納豆、ぬか漬け）
サプリに副作用はある？
K2は体に必要な分だけ使われ、余分な分は自然に排出されるため、過剰摂取のリスクはほぼありません。
また、血液を「固めすぎる」こともないため、通常の量であれば副作用の心配は少ないとされています。ただし、ワルファリンなど血液をサラサラにする薬を服用中の人は、必ず医師に相談しましょう。
ひと目でわかるポイント
- ✅ビタミンK2は血液の凝固と骨の健康に関わる大切な栄養素
- ✅「不整脈や骨粗しょう症への効果」はまだ科学的には確定していない
- ✅食事での摂取が基本だが、不足しやすい人はサプリで補うのもアリ
- ✅動物性食品や発酵食品を意識的に取り入れてみよう
Deutsche Gesellschaft für Ernährung e. V. (DGE): Vitamin K, 2020
https://www.dge.de/wissenschaft/referenzwerte/vitamin-k/
Verbraucherzentrale: Vitamin-K-Produkte - was ist sinnvoll? 2023
https://www.klartext-nahrungsergaenzung.de/wissen/lebensmittel/nahrungsergaenzungsmittel/vitaminkprodukte-was-ist-sinnvoll-26574
Bundesinstitut für Risikobewertung (BfR): Höchstmengenvorschläge für Vitamin K in Lebensmitteln inklusive Nahrungsergänzungsmitteln, 2015
https://www.bfr.bund.de/cm/343/hoechstmengenvorschlaege-fuer-vitamin-k-in-lebensmitteln-inklusive-nahrungsergaenzungsmitteln.pdf
Bundeszentrum für Ernährung: Vitamin-K-Gabe für Säuglinge empfohlen
https://www.bzfe.de/service/news/aktuelle-meldungen/news-archiv/meldungen-2022/juni/vitamin-k-gabe-fuer-saeuglinge-empfohlen/
Europäische Behörde für Lebensmittelsicherheit (efsa): Referenzwerte für die Nährstoffzufuhr: EFSA veröffentlicht Empfehlungen zu Vitamin K, 2017
https://www.efsa.europa.eu/de/press/news/170522-1
Europäische Behörde für Lebensmittelsicherheit (efsa): Vitamin K2 added für nutritional purposes in foods for particular nutritiional uses, food supplements and foods intended für the general population and Vitamin K2 as a source of vitamin K added für nutritional purposes to foodstuffs, in the context of Regulation (EC) N° 258/97[1] – Scientific Opinion of the Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies, 2008
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/822
Europäische Behörde für Lebensmittelsicherheit (efsa): Scientific Opinion on the substantiation of a health claim related to vitamin K2 an contribution to the normal vunction of the heart and blood vessels (ID 125, further assessment) pursuant to Article 13 /1) of Regulation (EC) No 1924/2006, 2012
https://www.efsa.europa.eu/de/efsajournal/pub/2714
Helmholtz-Zentrum München: Vitamin K verhindert Zelltod: Forscher entdecken neue Funktion eines lange bekannten Moleküls, 2022
https://www.helmholtz-munich.de/newsroom/news/artikel/vitamin-k-verhindert-zelltod-forscher-entdecken-neue-funktion-eines-lange-bekannten-molekuels
Yan Quanxiang u. a.: The biological responses of vitamin K2: A comprehensive review, 2023, in PubMed
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/fsn3.3213
Gerry Kurt Schwalfenberg: Vitamins K1 and K2: The Emerging Group of Vitamins Required for Human Health, 2017, in PubMed
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Ming Zhou, Shiliang Han, Wenpeng Zhang, Daniel Wu: Efficacy and safety of vitamin K2 for postmenopausal women with osteoporosis at a long-term follow-up: meta-analysis and systematic revies, 2022, in PubMed
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35711002/
