「塩分のとりすぎには注意」とよく言われますが、そのカギを握っているのが実は カリウム です。血圧を整え、細胞の中でエネルギーを生み出し、筋肉や心臓をスムーズに動かす。
そんな大切な役割を果たしているのに、意外と知られていないミネラルなんです。
この記事では、カリウムの働きや不足のサイン、豊富に含まれる食品まで、毎日の健康に役立つ情報をまとめました。
カリウムとは?
カリウムは「ミネラル(無機質)」の一種で、特に体内で 電解質(エレクトロライト) として働く栄養素です。
細胞の代謝や神経伝達など、生命活動を維持するために欠かせない役割を担っています。
なぜカリウムは体に必要なのか?
カリウムは、体の中で次のような働きをしています。
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💧 体内の水分バランスを保つ
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⚡ 神経の伝達をサポート(筋肉の動きや心臓の拍動に関与)
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🫀 血圧を下げる働き(ナトリウムの排出を助け、血管を拡張)
現代の食生活では塩分(ナトリウム)が多くなりがち。
そのため、カリウムをしっかり摂ることが、血圧コントロールや心血管系の健康を守るうえでとても大切です。
カリウムを多く含む食品
カリウムは多くの食品に含まれていますが、とくに 乾燥・濃縮された野菜や果物 に豊富です。
🥗 カリウムが豊富な食品の例
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大豆・枝豆
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干しあんず
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干しもも
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ピスタチオ
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デーツ(なつめやしの実)
これらを日常的に取り入れることで、自然とカリウムの摂取量を増やせます。
カリウム不足の症状
カリウム不足(低カリウム血症)は、血中濃度が 3.8 mmol/L 未満 になると起こるとされます。
不足すると次のような症状が現れることがあります。
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不整脈(心臓のリズムの乱れ)
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筋力低下やけいれん
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手足のしびれや感覚異常
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便秘や頻尿(ポリウリア)
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慢性的な疲労やだるさ
😓 不足の原因
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激しい下痢や嘔吐
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大量の発汗
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利尿薬など特定の薬の服用
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極端な食事制限(拒食症など)
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過度なアルコール摂取
通常は、食事でカリウムを補うか、必要に応じて医師の指導のもとでサプリメントを利用することで改善できます。
1日に必要なカリウム量
成人(15歳以上、妊婦を含む)の推奨量は 1日あたり約4000mg。
これは尿中の排泄量をもとに算出された目安です。
多くの人は、バランスのとれた食事をしていれば自然にこの量を満たすことができます。
特に野菜・果物・豆類をしっかり食べることがカギです。
カリウムをとりすぎても大丈夫?
健康な人の場合、食事から摂ったカリウムは余分な分を腎臓が尿として排出するため、過剰摂取の心配はほとんどありません。
ただし、 サプリメントや医薬品による高用量の摂取 は注意が必要です。
腎機能が低下している場合や持病のある人は、必ず医師と相談のうえで利用しましょう。
ひと目でわかるポイント
- ✅カリウムは水分バランス・血圧・心臓や筋肉の働きを支える重要なミネラル。
- ✅大豆、干しあんず、ピスタチオなどを日常的に取り入れると効果的。
- ✅不足すると不整脈や疲労の原因に。健康な人なら摂りすぎは心配なし。
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Ausgewählte Fragen und Antworten zu Kalium. 2016.
https://www.dge.de/fileadmin/dok/gesunde-ernaehrung/faq/DGE-FAQ-Kalium-2016.pdf. Accessed 20 Jul 2024.