クロレラ(Chlorella)と呼ばれる淡水性のミクロアルゲは、脂肪酸やタンパク質、ビタミン、ミネラル、さらには植物由来の成分まで豊富に含んでいます。では、実際に私たちの健康にどんな意味があるのでしょうか?
目次
クロレラとは?
クロレラは、世界中の淡水に生息する小さな単細胞の藻類。肉眼では見えないほど小さく、「ミクロアルゲ」に分類されます。サプリメントとしては、粉末・タブレット・カプセルの形で手に入ります。
学術的には24種類以上ありますが、特に「Chlorella vulgaris」という種類がよく利用されます。鮮やかな緑色はクロロフィルの含有量が非常に高い証拠。サイズあたりのクロロフィル量は、他の植物よりも圧倒的に多いんです。
クロレラは、セルロースからなる三層構造の頑丈な細胞壁を持っているのも特徴です。
クロレラとスピルリナの違いと共通点
スピルリナもクロレラ同様に粉末・タブレット・カプセルで利用できますが、生息環境は異なります。
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クロレラ 👉 淡水に生息する藻類
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スピルリナ 👉 塩水を好む「細菌(シアノバクテリア)」
スピルリナは緑色に青みが強く「ブルーグリーンアルジー」と呼ばれてきました。
また、スピルリナには細胞壁がなく、クロロフィル量も少なめ。その代わり、塩水に育つためヨウ素を多く含んでいるのが特徴です。
👉 栄養面では似ている部分も多く、両方ともバランスの取れた栄養補助食品として注目されています。
クロレラ&スピルリナの健康効果
クロレラとスピルリナには、次のような栄養素が豊富に含まれています✨
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多価不飽和脂肪酸
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良質なたんぱく質
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ビタミン(葉酸、ビオチン、ビタミンA・E・C・K・D・B12)
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クロロフィル
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ミネラル(鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、セレン、亜鉛)
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カロテノイド(抗酸化成分)
さらにクロレラの細胞壁には、炭水化物や食物繊維も含まれています。
📌 研究では、炎症・糖尿病・心血管疾患・パフォーマンス向上などに良い影響を与える可能性が示されています。ただし、まだ決定的な科学的証拠は不十分です。
クロレラのビタミンB12は本当に効くの?
ビタミンB12は特にビーガン・ベジタリアンにとって重要な栄養素。クロレラにはB12が多く含まれていますが…実は人間の体では利用しにくい「類似体(アナログ)」である場合が多いとされています。
そのため、食品監視機関なども「クロレラやスピルリナだけでB12をまかなうのは危険」と警告⚠️しています。ビーガンの方は特に、信頼できるビタミンB12サプリを併用するのが安心です。
クロレラとデトックス効果:体を浄化できる?
クロレラには「デトックス効果がある」とよく言われます。確かに、自然界では水中の重金属や農薬などを吸着して水質を浄化する働きが確認されています。
動物実験では、クロレラが体内の毒素排出に役立つことも示されていますが、人間での効果についてはまだ十分な研究がありません。期待はできますが、「確実に効果あり!」とは言えないのが現状です。
クロレラを食生活に取り入れるコツ
🌱 クロレラは確かに栄養価の高い食品ですが、その効果をしっかり得るには「品質」がとても大事。
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信頼できるメーカーを選ぶ
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保護された環境で培養されたクロレラを選ぶ(汚染リスクが低い)
クロロフィルの働きによって「血液をきれいにする」「デトックスをサポートする」可能性もあり、うまく取り入れれば健康的な食生活の一部として役立ちます。
ひと目でわかるポイント
- ✅クロレラは藻類、スピルリナは細菌。見た目や栄養は似ていても、その性質は異なる。
- ✅両方とも栄養価が高いが、クロレラ・スピルリナのビタミンB12は人には吸収されにくい。
- ✅健康効果を期待するなら、高品質で安全な製品を選ぶことが大切。
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Untersuchungsämter für Lebensmittelüberwachung und Tiergesundheit Baden-Württemberg: Veganer und Vegetarier aufgepasst – Spirulina, Afa und Chlorella sind keine zuverlässigen Vitamin B12-Quellen! 2019
https://www.ua-bw.de/pub/beitrag.asp?subid=0&Thema_ID=2&ID=3102#:~:text=Die%20Deutsche%20Gesellschaft%20f%C3%BCr%20Ern%C3%A4hrung,5%20g%20