私たちの体は、健康を維持するために多くの栄養素を必要とします。その中でも、ミネラルは特に重要な存在。でも、どのミネラルが何に効くのか、どれくらい必要なのか、意外とよく知られていないのではないでしょうか？
ここでは、「CからZ」まで、重要なミネラルについてわかりやすく紹介します。
目次
ミネラルってどんな栄養素？
土や岩に含まれるような無機質＝ミネラル。でも実は、私たちの体にも欠かせない栄養素のひとつなんです。植物が土から吸収したミネラルを、私たちは野菜や果物を通して取り入れています。体内ではほんの少ししか必要とされないこともありますが、その“少し”が健康を支える大きなカギに。
ミネラルにはどんな種類があるの？
ミネラルは大きく分けて2つのグループに分類されます：
■ 多く必要な「主要ミネラル（＝多量ミネラル）」
これらは体が比較的多く必要とするミネラルで、骨や歯の形成、体内の水分バランスなどに関わっています。
- ナトリウム
- クロール（塩素）
- カリウム
- カルシウム
- リン
- マグネシウム
■ 少量でOKな「微量ミネラル」
ごく微量で十分ですが、体にとってはとても重要な働きをしています。酵素の働きを助けたり、免疫機能、血液の生成などに欠かせません。
- 鉄
- ヨウ素
- フッ素
- 亜鉛
- セレン
- 銅
- クロム
- マンガン
- モリブデン
ミネラルの知られざる歴史
ミネラルの重要性が本格的に注目されたのは19世紀。科学者たちが、私たちが生きていくために欠かせない「必須栄養素」の研究を始めたのがきっかけです。
たとえば、鉄は血液を作るために不可欠な成分で、不足すると貧血になることが明らかになりました。カルシウムは、骨を強くするために欠かせないということも同時にわかってきました。
その後の研究で、マグネシウムや亜鉛、ヨウ素なども健康に欠かせない存在だと分かり、食事やサプリメントで補う重要性が広く認識されるようになったのです。
特にヨウ素は、甲状腺の病気「甲状腺腫」の予防に大きく役立ち、世界的にも注目されました。
ミネラルと電解質ってどう違う？
実は、電解質も「ミネラルの一種」です。水に溶けたときに電気を帯びる性質があるミネラルを、特に「電解質」と呼びます。
具体的には、以下のミネラルが電解質です：
- ナトリウム
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
- クロール（塩素）
- リン酸（＝リン）
電解質は、体内の水分バランスを整えたり、筋肉や神経の働きを正常に保つ役割があります。脱水症状のときに必要になるのは、まさにこの電解質なんです。
ミネラルが健康に不可欠な理由
ミネラルは、私たちの体のあらゆる働きをサポートしています。
- 骨や歯を強く保つ
- 新陳代謝をスムーズにする
- 免疫力を整える
- 神経や筋肉の機能を助ける
- 血液をつくる
もし不足すると、骨粗しょう症、貧血、筋肉のけいれんや免疫力の低下など、さまざまな不調につながってしまいます。
ミネラル一覧：CからZまで徹底ガイド
ここからは、個別のミネラルについて詳しく紹介していきます。それぞれの働きや、不足するとどうなるのか、どんな食べ物に多く含まれているかなどを一緒に見ていきましょう。
🦴【カルシウム（Calcium）】
-
主な働き：骨や歯の構成、筋肉の収縮、神経伝達の補助
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多く含まれる食品：牛乳・チーズ・小魚・ブロッコリー
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不足すると？：骨粗しょう症、筋肉のけいれんやしびれ
💧【クロリド（塩化物・Chloride）】
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主な働き：体内の水分・電解質バランスの調整、胃酸の構成成分
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多く含まれる食品：食塩・オリーブ・チーズ・トマト・魚介類
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不足すると？：脱水、筋肉のけいれん、消化不良
🟤【クロム（Chromium）】
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主な働き：インスリン作用の補助、血糖値の調整
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多く含まれる食品：ブロッコリー・大麦・レバー・バナナ・トマト
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不足すると？：血糖値の乱れ、疲れやすさ
🥉【銅（Copper）】
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主な働き：赤血球の生成、免疫機能、神経やコラーゲンの働き
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多く含まれる食品：レバー・貝類・ナッツ・全粒穀物・きのこ
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不足すると？：貧血、免疫低下、神経障害
🦷【フッ化物（Fluoride）】
-
主な働き：歯の再石灰化、虫歯予防
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多く含まれる食品：魚・紅茶・ぶどう・じゃがいも
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不足すると？：虫歯になりやすくなる
🩸【鉄（Iron）】
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主な働き：酸素の運搬、免疫機能やエネルギー代謝のサポート
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多く含まれる食品：赤身肉・貝類・豆類・ほうれん草・雑穀
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不足すると？：貧血、集中力低下、倦怠感
🌊【ヨウ素（Iodine）】
-
主な働き：甲状腺ホルモンの生成、代謝・成長の調整
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多く含まれる食品：海藻・魚介類・卵・乳製品・ヨウ素添加塩
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不足すると？：甲状腺の腫れ、代謝低下
⚡【マグネシウム（Magnesium）】
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主な働き：神経や筋肉の働きの調整、エネルギー代謝のサポート
-
多く含まれる食品：ナッツ・全粒穀物・豆類・緑黄色野菜
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不足すると？：倦怠感、こむら返り、不眠、イライラ
🍚【マンガン（Manganese）】
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主な働き：骨の形成、エネルギー代謝、抗酸化酵素の働き
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多く含まれる食品：玄米・ナッツ・豆類・葉物野菜・パイナップル
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不足すると？：骨の弱化、代謝異常
🌿【モリブデン（Molybdenum）】
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主な働き：体内の解毒酵素の働き、尿酸の代謝
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多く含まれる食品：豆類・穀類・葉物野菜・ナッツ類
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不足すると？：代謝異常（非常にまれ）
🍌【カリウム（Potassium）】
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主な働き：細胞・神経・筋肉の働きをサポート、血圧調整
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多く含まれる食品：バナナ・じゃがいも・ほうれん草・豆類・鮭・アボカド
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不足すると？：脱力感、筋肉のけいれん、不整脈
🧬【リン（Phosphorus）】
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主な働き：骨や歯の構成、エネルギー代謝、細胞の再生
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多く含まれる食品：乳製品・肉類・魚・豆類・ナッツ
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不足すると？：骨の弱化、成長障害、倦怠感
🧂【ナトリウム（Sodium）】
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主な働き：水分バランスの調整、神経伝達、筋肉機能の維持
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多く含まれる食品：食塩・肉・魚・乳製品・パン類
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不足すると？：低ナトリウム血症、けいれん、吐き気
🛡️【セレン（Selenium）】
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主な働き：免疫力の維持、抗酸化作用、甲状腺機能のサポート
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多く含まれる食品：ブラジルナッツ・魚介類・卵・肉・全粒穀物
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不足すると？：免疫力低下、疲れやすさ、甲状腺トラブル
🧪【亜鉛（Zinc）】
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主な働き：免疫機能、傷の治癒、細胞の成長と修復
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多く含まれる食品：肉・魚介類・乳製品・豆類・ナッツ・全粒穀物
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不足すると？：味覚障害、免疫力低下、肌荒れ
ひと目でわかるポイント
- ✅ミネラルは体にとって欠かせない無機栄養素で、さまざまな重要な働きを担っている。
- ✅「主要ミネラル」と「微量ミネラル」に分けられ、体内で作ることができないため、食事から摂取する必要がある
- ✅十分なミネラル摂取は、骨の健康、代謝、免疫機能など多くの生理機能にとって不可欠。
- ✅電解質は特定のミネラルで、体内の水分バランスを調整するなどの働きを持つ。
https://www.dge.de/wissenschaft/referenzwerte/chlorid/
